いつぞやの大雨の後、ツバメさん家族は待てど暮らせど、それっきり戻ってきませんでした。
毎朝、いるはずのない巣をふと見上げてしまうのは私だけでしようか?
今から3年程前の話です。
一羽のツバメが(多分オス)ガレージの大きな鏡に映ってる自分の姿をうっとり眺めている姿を何回か見かけました。
その後そのツバメは鏡の中の自分に恋をしてしまったのかもと、気が付きました。勿論自分の姿だとは気づいていないようです。
来る日もくる日も鏡に映った彼女(自分)に話しかけている姿はなんとも愛らしく、又心苦しく思えました。
その光景が2年続き3年目の今年もやっぱり巣立っていった家族の後に自分に恋するツバメが戻ってきました。
今年は、いつもと様子が違い、どうやら本当の彼女ができたようでした。それでも相変わらず鏡に向かって話しかけるように鳴き続け、一緒についてきた彼女が「ここに映っているのはあなたなのよ!」と、必死で説得しているように見えました。
そして大雨の後二羽も旅立ちました。
説得の結果はどうなったのでしょう。
来年はどうなるのかなぁと思いながら、巣の下に溜まったツバメさんの山のような落とし物をみて、来年も待ってるから、戻ってきてね、と、
心の中でそっと呟きました。
投稿者:小林